2020.6.11発売の週刊ファミ通6/25号には全60ページのセガ60周年特集が掲載されています。“セガ系ライター”の端くれである私(gtozka)はゲーム紹介ページを数ページお手伝いしました。
読む側にとってはどうでもよいことかと思いますが、各コンシューマハードを代表するゲームソフトの選定には、いちライターでは計り知れない基準が設定されています。なのでもし思い入れのあるハードの代表作を個人で選ぶとしたら……ということでSC/SGシリーズ(記事ではSG/SCに表記統一されてましたね)のゲームを6選してみました。本誌記事と併せて読んでハードの全体像をつかむ一助にしてみてください!
ちなみに私個人のSC/SGシリーズのゲームに対する思い出についてはレトロゲームショップBEEPさんのサイトのコラムページで綴っています。

サファリハンティング
●セガ/カートリッジ/アクション・シューティング/1983年
よけて撃つ、のシューティングゲームの要素を“ブッシュ地帯での猛獣狩り”として表現したエキゾチックなアーケード作品『トランキライザーガン』(1980年)の移植。グラフィックは全体的にかわいらしくなったもののプレイ感覚は原作にかなり近め。開発はコンパイル社で、アーケード基板の目コピ移植……とのこと。
スタージャッカー
●セガ/カートリッジ/シューティング/1983年
1983年発売のアーケード版の劣化移植というよりは、ゲーム性を洗練し演出方針を大幅に変更した進化バージョン。『デンジャラスシード』(ナムコ)のアーケード版とメガドライブ版の関係に近い……といえば伝わるだろう(誰に?)。シーン転換時のサウンド演出の巧みさにより、宇宙空間を駆け抜ける疾走感を疑似体験できた。
ジッピーレース
●セガ/カートリッジ/レース/1983年
ライバル車から煽り運転されまくるアーケード用アメリカ大陸横断バイクレースゲームの移植。ギミックが減ったぶん牧歌的なムードが増し、3Dパートの遠景が醸す“旅情”がより味わい深くなった。チェックポイント到着時のライダーのグラフィック縮小表現の手作り感に、テレビゲームの大事なものが宿っている気がする。
ピットフォールⅡ
●セガ/マイカード/アクション/1985年
海外コンシューマ作品のセガアーケードアレンジ版のコンシューマアレンジ移植(ややこしい)。スコアで増えるストック制導入により、世界が広がる感じを味わいつつじっくり探索できるようになった。買い物もボス戦もないが、地形構造を把握しつつ要所のアクション操作を決めつつのバランスが良く、まさに“冒険”だった。
ガルケーブ
●セガ/カートリッジ/シューティング/1986年
『ガーディック』『ザナック』などを手がけたコンパイル社スタッフによるオリジナル横シュー。一見地味で高難度だが敵出現テーブルにメリハリがついているためプレイ自体は熱い。どういう状況かわからないけどミニマルな背景が多重スクロールするさまは美しく、異世界の道理に取り込まれていきそうな呪術性がある。
忍者プリンセス
●セガ/マイカード/アクション・シューティング/1986年
1985年セガアーケード作品の、デモや特殊ステージがないダウングレード移植。とはいえシューティング+アクションゲームとしての操作性・ゲームテンポは抜群に良く、むしろアスレチック要素が減ったことで物語性に芯が通ったまである。SC/SG版オリジナルの巻物集めによる謎ときも、コンシューマならではのアクセントに。
今回紹介したゲームは「よくできている」「面白い」に加えて現実とは異なる世界にいて、そこで生きているという感覚を味わえたものたちです(『バンクパニック』はよくできていたけれど「よーしここは西部劇の世界だぞ!」という気分にはなれなかったので除外したり……とかそういう曖昧な基準)。令和の世の目で見てどうかというと厳しいものがありますが、機会があればそういう観点でぜひプレイしてみてください。
「当時からのガチユーザーでもなければ今さらプレイする機会なんてないよ!」と思われるかもしれませんが、つい最近レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」さんで、最後から2番目に紹介した『ガルケーブ』のMSX版(SC/SG版とほぼ同じ内容)の有料配信が始まりました。WindowsPCがあれば気軽に導入・プレイできるので、ご興味があればぜひ。
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