【ゲーム家族】6.ゲームライターと義父

エッセイ

夫は、どこに居ても常にパソコンを広げて作業をしています。

物理的に不可能でない限りは、移動中でも、旅行先でも、私の実家でも作業しています。

実家内が賑やかになり、作業に集中できなくなると「お昼ご飯はいらない」の言葉を残し、自転車で出かけて行きます。

そして、近所のファミレスや市営温泉の休憩スペースで作業して、夕飯頃に帰ってきます。

私の実家でずっとパソコンをいじっている夫を、父は最初の頃は面白く思っていなかったようです。

そもそも、几帳面な父と大雑把な夫は、性格的に合っていなかったのでしょう。

しかし、父はいつ頃からか、市民に配布される市営温泉割引券を夫のためにとっておいたり、山の上の方にある温泉へ夫を車で送迎してくれるようになりました。

夫の人間性や仕事について、そういうものなんだと自分なりに消化し納得したようで、娘として、妻として、まあまあ良い関係になってくれたことに安心したものです。

そんな父の死後に母から聞いたのですが、父は、夫が実家に来る前日になると、家族は誰も使っていない自転車を夫の為に点検してキレイにしてくれていたそうです。

父は細かいことに良く気がつく人でしたので、手入れされていない自転車に乗せるのは気が引けたのかもしれません。

そんなことは全然知らなかったし、なんだかちょっと良い話風でビックリしました。

反面、母は細かいことにまったく気がつかない人なので、実家での夫の過ごし方も何とも思っていませんし、温泉割引券も自分で使います。もちろん自転車の手入れもしません。

今年の正月に帰省した時も、普段は具合のいい荷物置きになっている自転車に乗って、夫は作業場所に出かけて行きました。

コメント