“誰もがゲームを作れる世の中”の実現のために……
このサイトを運営しているqix(クイックス)は、もっぱらゲーム系記事作成の仕事を請け負うかたわら、ゲームソフトの制作も行っています。
過去にはこんなゲームを作っていました。
上記は“Scratch”という子供向けのプログラミング学習環境で作ったものです。
Flashコンテンツの再生環境がないと動かないもののため、動画での紹介に留めておきます。
これは、ノベルゲーム作成ツール“ティラノビルダー”で作ったノベルゲームです。
WindowsかMac用のアプリケーションとしてダウンロードするか、PCのウェブブラウザ上(Google Chorome推奨)で遊べます。
いずれも
という、ゲームを作ること自体を主としつつ完成したものをいろんな人に遊んでもらえたらうれしいな……という心持ちの産物です。
従来はエチュード感覚で作っていたところもあるのですが、今後はより多くの人が気軽にゲームを作り公開できる世の中になることを目標としたゲーム作りをやっていけたらなーと思います。
それによって、思いもよらぬ体験ができるゲームに巡り合える可能性がぐっと広がるとしたら楽しいじゃないですか(ろくろを回す手振りをしながら)。
ゲームの制作過程を報告・紹介していきます!
新たな使命感をもって作る新生qixの第1弾は、制作の過程を赤裸々に綴りながら、マイペースにやっていくことにします。
今回使用する開発環境は『SMILE GAME BUILDER』。
昨年9月に発売された、スマイルブーム開発のRPG制作用ツールです。
現在も機能アップデートが頻繁に行われ、しかもリリース1周年を機に販売価格が一挙に3000円ダウンの6980円(税込)になったことで、お得感はかなりのものになっています。

“難しいこと・面倒くさいことアレルギー”のユーザーにとことん寄りそった本作のUI設計は、昨年のリリース時に紹介記事を担当した経験から十分わかっていました。
じゃあこれで作るか……となると、1990年発売の『DANTE』以降ありとあらゆるRPG制作用ソフトを使ってきて一度も作品を完成させられなかった“負の実績”が心にブレーキをかけ、なかなか手をつけられないでいました。
しかし「ここまで機能が進化したんだから活用しないわけにはいかない」という謎の義務感にも突き動かされ、以下のテーマを掲げて着手することにしました。
【テーマ1】ゲーム内目的を自分自身のゲーム制作の目的に重ねる
ゲームクリアーに「”エターナる(制作中のゲームが未完成の状態のままになること。“永遠の・不滅の”を意味する英単語“eternal”を捩ったオタ系スラング)”からの脱出」という意味合いを持たせることで、そのゲームを完成させる自分自身も報われるんじゃないか……と。
そうしたメタな視点が”制作者→作品”だけでなく”プレイヤー→作品”でも機能するようにゲーム展開を構成できれば、それなりに遊ぶ価値のあるタイトルになるような気がしました。
さっそくタイトル画面を作ってみました。
タイトル文字はフォームに入力したテキストの定型フォント出力、グラフィックは『SMILE GAME BUILDER』に最初から入っていた、いかにもタイトル画面に使ってネといった感じの一枚絵を割り当てました。
いずれオリジナル素材でバシッときめたいところですが、作品の趣旨としてはこのままでもいいのかもしれません。
【テーマ2】RPGではなく“一人称視点の3D脱出ゲーム”にする
過去、RPG制作用ソフトでは”ちゃんとしたRPG”を作ろうとして挫折していたので、今回ははなからRPGを作る気持ちを捨てました。
じゃあ何ならいいだろうということで考えたのが、『SMILE GAME BUILDER』が得意とする3D表現を生かしたゲームジャンルです。
(そもそも“脱出”というキーワードが出た時点で、おおかた決まってはいましたが……)
一人称視点タイプのゲームを作る際、何か参考になる作品はないかなーと『SMILE GAME BUILDER』公式サイトのユーザー作品一覧をチェックすると……まんまなのがありました!
かなり初期に登録された、カメラワークとホラー演出が光る短編脱出ゲーム『私はここにいます』です(制作・Giggle Game)。
ああ、このセリフ、まったく同じのを冒頭で使おうと思ったのにっ!
といろいろ悔しい思いもしましたが、グッとこらえて血肉とさせていただくことに。
『私はここにいます』を含む、公式サイトで紹介さいれているいくつかのゲームは、プレイ専用の“ゲームデータ”のほかに、『SMILE GAME BUILDER』のツール上で展開できる“編集用ゲームファイル”のダウンロートが可能です。
ゲーム展開や演出面での大事なことは、“シナリオ編集”モードであらかた確認できます。
各イベント(そのつどゲームにさせたいこと)の内容は、ツール開発者側にとって都合のいい形式や専門用語を極力用いずに説明されているので、「私って本当は賢いのかも……!?」と勘違いするほどに、中身がスラスラと頭に入ってきます。
何となく複雑そうだったカメラ操作も、その場でプレビューしながらマウスでミニ画面をぐりぐりすればそれっぽくできてしまうという簡単さ。
あとはこれらを1本のゲームの流れに沿って積み上げていくだけ……という見通しが容易に立つ時点で、だいぶハードルが下がった感があります。
【テーマ3】これから『SMILE GAME BUILDER』に触れる人の役に立つ情報を入れる
「いやーゲーム作った作った」という自己満足感も大事ですが、プレイした方が「これだったら僕(私)にも作れるかも」といい意味で思えるものを作れたとしたら、それはそれで立派な(ゲーム至上主義)社会貢献です。
スマイルブームさんも、編集可能なサンプルゲームのデータを提供されていますが、四半世紀以上前から“負の実績”を積み重ねてきた私にしてみれば、まだまだゲームの規模が大きすぎて、ある層のユーザーにとっては逆に心を折られる原因になっている印象です。
よりハードルを低く、よりベタに──ということで考えたのが、『SMILE GAME BUILDER』の新規ゲームデータ作成時に最初から用意されているマップを舞台にすること。
こんな感じの、30X30マス+家1軒ぶんの殺風景な世界です。
これに、地面の高低差をつけたり、家の位置をマップ中心に移動させたりと微調整を加えました。
「こんな場所から一刻も早く脱出しないと!」という気持ちを、開発者(私)、プレイヤーともに共有できる、絶好の舞台が整いました。
次回記事ではゲーム展開を具体的に詰めつつ、『SMILE GAME BUILDER』の使い方を具体的に検証していけるところまでもっていければなと。
ちなみにこれは“実はもうすでにゲームは完成していて、連載記事として情報を小出しにしている”のではなく、本業の空いた時間にちょこちょこ進める、リアルタイム進行のプロジェクトです。
「なんか記事の更新待つのじれったいから自分で作り始めて、あまりに簡単だったからできちゃったよ」という方がいたら、それはそれで願ったり叶ったりです。それ遊ばせてください!
【つづく】
(c) 2016 SmileBoom Co.Ltd. All Rights Reserved.
コメント