新作なのに幻のHUGAゲームコレクション・その1『エゼキエル』

Pocket


“HUGA(ヒューガ)”という独立系デベロッパーを知っている方は、正直、少ないと思います。

2014年、日下一郎氏のライトノベル『“世界最後の魔境”群馬県から来た少女』(PHP研究所)のPR用ゲーム『群馬県から来た少女』をiOS/Android用アプリでリリース。
以降、日下氏原作のドット絵8bitファンタジー漫画『Final Re:Quest -ファイナルリクエスト-』(2014~)の制作協力で、その活動を知ることができます。

そんなHUGAが開発したゲーム3タイトルが、2017年9月下旬、ひっそりと正式リリースされました。
それらを入手・プレイできたのは150人ほど。まさに生まれながらにして幻のゲームです。

なぜそうなのか説明しようとするとそっちの話がメインになってしまうので、あえて要約するならば、“クラウドファンディング・プロジェクトの特典だから”です。

今回は、そんなクローズドなタイトルを、HUGAさんの了承を得て特別にプレイすることができたので、1タイトルずつ3回にわたって紹介していきます。

(かく言う私は、クラウドファンディング開始時にはバッカーになる気満々でした。しかし、当時のサイトのシステム上、利用可能なクレジットカードの種類がかなり限定されていたため、参加できませんでした。今回の記事は雪辱戦でもあり、罪(?)滅ぼしでもあるのです)

第1回目は、預言者エゼキエルとシンクロしちゃった宣教師フランシスコ・ザビエルが、十字架をブン投げて偽りの神の軍団を蹴散らしていくアクションゲーム『エゼキエル』です。

グラフィックのイメージは、タイトル画面にも暗号のように記されていますが、“PCGユニットを搭載したMZ-700のゲーム”。
という説明だけでは説明になっていないので、やはり大雑把に解説すると、“そのままだったらアスキーアート風のグラフィックしか表現できないレトロPCに、好きなドット絵を表示できる拡張ユニットをつけて作ったゲームの感じ”となります。

これを「キャラ絵が単色な上に四角っぽくてショボい」と見るか、「あー、すごく、っぽいっぽい!」と見るか、「ピクセルアートマジクール」と見るか、「“MZ-700らしさ”を表現するにあたりメーカー非純正の周辺機器を用いるのは云々」と見るかは個々人の経験や感性、ジャスティスによります。ただ、ゲーム内で各キャラがせっかちと言えるほどにキビキビと動き回ることだけは、確かです。

ザビエルの信仰の証にして唯一の武器・十字架の軌道には、少々クセがあります。

発射ボタンを押すと、軌道上にいる敵をなぎ倒しながら真上に飛んでいき、そのまま手元に戻ってくるのですが、飛行中にさらにボタンを押すと、“右90度”に進路変更して加速します。
進路変更は外周に触れない限り何度も行えるので、かなり複雑な軌道を描くことも可能。
一度の十字架投げで敵を一度に倒すほど得点効率がアップするため、十字架の使いこなしぶりが、そのままスコアに表れます。

“武器の十字架の変な軌道”は、マニュアルで開発者自身明言しているように、1980年にリリースされたアーケードゲーム『ドラキュラハンター』の、ストレートなオマージュです。
当時、同作をプレイする機会に恵まれず、’80年代ゲーム戦士のバイブル的漫画「ゲームセンターあらし」の作中で書かれた情報だけで「な~んか遊びにくそうなゲームだなぁ」と想像していた“あの感じ”が、プレイの感触として見事に表現されていたことに感動しました。

本作は、上記のパロディ性だけのゲームではありません。
「◎方向にしか××しない」という、いかにも古いアクションゲームにありがちな謎の行動制限を、各ステージに仕組まれたパズル要素に、大いに活用しているのです。

序盤ステージこそ、シューティングゲームのノリで敵をザクザク撃破できますが、1体目のボスが登場するあたりから、十字架の飛ばし方を発見・実践しない限り、ステージクリアーできなくなります。
ザビエルのウィークポイントである、自身がいる位置から左側全体(広い……)をいかにカバーするかが、ある意味、本作最大のテーマといえるでしょう。

プレイヤーストックのエクステンドはあるものの、コンティニュー機能がないこともあり、私はステージ19までが限界でした。
でも、5ステージおきに登場するボスを4体中3体まで倒したので、結構いいところまで進んだんじゃないかと思います。
開発元のHUGAの基準では“難易度も低め! 息抜きとして気軽に楽しんでくれ!”とのことなので、まだまだ精進が必要ですが。

昨今の“ちゃんとしたゲーム”にないキッチュさとグルーヴ感を持った『エゼキエル』。
ただクリアーを目指すのみならず、ハイスコアアタックのしがいも十分なゲーム性です。

プレイ動画は公開されているものの、より多くの人に実際に触れ、遊んでほしいゲームだと思いました!

(掲載時期は未定ですが、その2へ続く)

■ヒューガ公式サイトはこちら




Pocket