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明日のためのゲーム制作(1) 老いたゲーマーはどこへ行く?

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Windows/Mac用フリーゲーム作りました

Nintendo Switchのローンチと同じ日に、自作のゲーム『お父さんのPCクエストが、PC・スマホ用フリーゲーム投稿サイト「ふりーむ!」にて公開されました。

同サイトが企画した、投稿期間限定のゲーム開発イベント「千文字喫茶」に合わせて作ったもので、10分もすればあっさり終わるノベルゲームです。音の演出にこだわった……というか、各音のコンテクストありきの内容のため、環境が許す限り、サウンドを聴きながらプレイしてみてください!

▲上記リンク先では、HTML5対応のブラウザで直接遊べたり(※Google Chorome推奨。スマホでは途中で止まる……など、環境による動作の違いあり)、Windows版とMac版のアプリケーションをダウンロードできたりします(※ダウンロードは同サイトのユーザー登録&ログインが必要)。ちなみに、2017年3月15日現在の最新バージョンは“1.02”です。




“ゲーマーとしての自分”に待つ未来とは?

タイトルからもある程度推測がつくように、このゲームのテーマは“父と子”。父のタイムカプセル──あるいはパンドラボックスを偶然発見した時に息子は何を思うか? というシチュエーションを切りとったものです。捉え方によってはハートフルなお話に見えます(実際そう見てほしかったので、そこは演出面でカバーしました。それについてはまた次回以降に)。

流れた歳月と、家族の世代的ギャップを埋めるものとしてテレビゲームがある……というモチーフは、よくよく考えてみると、私が一生を賭けて追い求めている最中のものかもしれません。

下の漫画は、かつてあったゲーム情報雑誌「BEEP!メガドライブ」(ソフトバンク発行)の1992年頃の号に掲載された、自作4コマ漫画です。

当時、同誌読者コーナーの担当ライターだったため、学級新聞感覚でねじ込んでいたもののひとつで、後年、コラムニスト・ブルボン小林氏が、自身のコラムで引用していました。漫画の内容を補足すると、以下の通りです。

  1. シミュレーションRPG『シャイニングフォース』の続編『シャイニングフォース外伝』が、前作から20年後の世界をテーマにしたものであること(※これは本当)を、同級生から聞かされる中学生ゲーマー(推定年齢15歳)
  2. 前作の登場キャラのひとり“ラグ”にどことなく顔が似ている中学生ゲーマーは、『外伝』を実際の20年後にプレイすることを決意
  3. 『外伝』のゲーム画面。ラグの息子“ルース”がゲームに登場している(※これも本当)
  4. ラグが結婚していたことに素直に驚く、かつての中学生ゲーマー(推定年齢35歳)

この漫画のポイントは、2コマ目と3コマ目で20年の歳月が経っていることです。書いた時点ではおそらく気にしていなかったと思いますが、ここには、“テレビゲームは、それを動かすハード環境がある限り、起動した瞬間に一気に時空を飛び越え、その中に収められている出来事をリアルタイムにする”という、今回の自作ゲームに意識的に組み込んだ直観が、しっかり使われています。当時ハタチそこらのヌルいゲーマーだった私には、結婚して子供ができるという将来がまったく想像できなかったこともあってこんなオチになったのですが……人生どう転がっていくか、わからないものです。

もうひとつは、2001年に出版された著書「ふり向けばセガがいる〈2〉記録より記憶に残るセガ・コンシューマ史」(キルタイムコミュニケーション刊)の巻末に収録した書き下ろし漫画「一億の夜を超えて」(作画・内田純氏)の1ページを抜粋したもの。

“1980~1990年代のテレビゲームをリアルタイムで遊んでいた世代の老後とはどんなものだろうか?”という発想をもとに、原作・ネームを担当しました。殺風景な自室でひとり、本体に繋がっていないゲームコントローラーを握りぼぉっとしている老人と、それを見守る孫&ひ孫……というシチュエーションはちょっとやり過ぎですが、セーラームーン(の職業コスプレイヤー)を自分が昔付き合っていた彼女と思い込んでいたり、「機動戦士ガンダム」で描かれていた戦争を自分が体験したものと記憶違いしていたりといった描写は、なかなか真実味があると思います(そうか?)。

これを書いた時点では、前述のテレビゲームへの直観についてはさすがに自覚的でした。加えて、リアルタイムに再現された出来事をただ繰り返すだけでなく、意志の力で大前提を改変するという、いかにも「新世紀エヴァンゲリオン」通過後な要素が入ってきます(厳密には「最狂超プロレスファン烈伝4」ですが)。結果としてこの価値観は、40代も半ばになった現在にも、脈々と引き継がれています。

目標は“歪んだ時空の先にあるテレビゲーム”

表現形式こそ変わりましたが、『お父さんのPCクエスト』もまた、上記の漫画の延長線上にある作品です。テーマの根っこに近い部分で大きく変わったといえば、現在地から眺める方向が、未来から過去になっていることでしょうか。

過去を振り返る姿勢や行為には、メランコリックな、懐古主義的な印象がつきまとうもので、そこに関してはまったく弁解の余地はありません。しかし、そうすることで私が見たり伝えたりしたいのは、同世代の定番ネタや、より厳密な情報資料、今だから言える暴露話ではなく、むしろ、テレビゲームを介してひん曲がった時空に存在する新しい何かであり、超世代的な真実なのです。その表現手段として“誰もがまだ遊んだことがないテレビゲーム”というのは実に都合がよく、こういう思いつきをすぐ形にできる現在のPC・ゲーム制作環境は、素晴らしいなぁと思います。歳はとるもんですね。

今作のストーリーは短編用に急きょ考えたものですが、実現したいネタはまだまだあるので、こんな感じの路線に興味がある方は、いろんな形でご期待下さい。「俺もいっちょ噛ませてくれないか」という誠実なゲーム業界関係各位の申し出もお待ちしています!

といいつつ、本ブログではしばらくこのゲーム関連のネタを引っ張っていきます。

 

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